田村能里子
NORIKO TAMURA
1944年 愛知県生まれ。
1966年 武蔵野美術大学油絵実技専修科卒業。
1982年 昭和会展優秀賞受賞
1986年 文化庁芸術家在外研修員として北京中央美術学院に留学。
1988年 中国・西安のホテル「唐華賓館」に初の壁画を制作(’89年に中国政府から作品に対し軒轅杯国際特別賞授賞)、
以後日本国内でも本格化し中山競馬場、北里研究所病院、椿山荘他多数の制作で知られる。
2008年 大本山天龍寺塔頭宝厳院本堂再建襖絵完成。
他、個展、グループ展多数。
ー絵の中に流れる時間ー
時間とは不思議なものと時々感じることがあります。(中略)
「絵の中に蓄積された時間」を塗り込めたい。何十年も前、その基本となる自分の絵肌をインドの古城の乾いてざらついた砂壁に見つけました。何色も重ねられた重層感、剥落や退色による時の経過のようなものを求めて、長い時間をかけて試行錯誤を重ねました。私の描くテーマは「アジアの人とかたち」です。今を生きる人々の、生き生きとした相貌はゆったりとした時の流れの中ではじめて息づくものと考えたからです。(後略)〜2018年9月「月刊美術」