荻須高徳
TAKANORI OGISU
1901年 愛知県中島郡(現稲沢市)に生まれる
1921年 上京し川端画学校に学び、藤島武二に師事
1927年 東京美術学校卒業
渡仏。
1928年 署名をOGUISSとする
サロン・ドートンヌに初入選
1940年 帰国
1944年 横江美代子と結婚
1948年 戦後初めて日本人画家として、再渡仏
1956年 レジオン・ドヌール勲章受章
1972年 勲三等旭日章受章
中日文化賞受賞
1974年 パリ市より、メダイユ・ド・ヴェルメイユを授与される
1981年 文化功労者に顕賞される
1982年 フランス国立造幣局が、荻須高徳の肖像を浮彫にしたメダイユを発行する。
1983年 稲沢市荻須記念美術館が開館
1986年 パリのアトリエで制作中に逝去 享年84歳
文化勲章受章
荻須高徳(1901-1986)は、東京美術学校で学んだ後、1927年に渡仏。
ルーヴル美術館の絵画群や、画廊でルオーやヴラマンク、ユトリロなど同時代の画家の作品から刺激を受け、本場の油絵を貪欲に吸収した。
荻須は1940年に、前年に勃発した第二次世界大戦のためやむ無く帰国したが、敗戦後、日本人が海外へ渡航することが未だ困難な1948年に、日本人画家としてはじめて再渡仏し、1986年に亡くなるまで、通算して半世紀以上、パリで画家として生きた。
洒脱なタッチで描かれた即興的な素描は、荻須の生きたその時代のパリや彼が魅了され深く愛した歴史あるヨーロッパの息吹を生き生きと伝えている。
最初は真っ黒だと感じた、空や建物、舗石に多様な表情を持つシックな灰色の街パリ。その古びた建物に内在する人々の暮らしや生命の軌跡を温かな眼差しをもって見つめた荻須の作品は、人間の心や歴史を魅力的に描き出し、日本だけでなくパリの人々からも長く愛され続けている。