本画特選

日本画

 
平松礼二
春秋花岳
(紙本彩色 3号スクエア)2025年作
REIJI HIRAMATSU
 
平松礼二
平松礼二 
モンサンミッシェル
(絹本彩色 10号)2023年作
REIJI HIRAMATSU
 
平松礼二 
さくらとすいれん
(紙本彩色 3号)2025年作
REIJI HIRAMATSU
 
牧 進
ねずみ
(金地色紙 彩色)

SUSUMU MAKI
 
伊東深水
伊東深水
羽子
(紙本彩色)
[画寸法 418×486mm] 共板有
東美鑑定評価機構 鑑定委員会 鑑定証書 有
SHINSUI ITO
 
福井江太郎

(紙本彩色 円窓)
[画寸法 200×250mm]
KOTARO FUKUI
 
石踊達哉
石踊達哉
秋草
(紙本彩色 6号)
TATSUYA ISHIODORI
 
柳沢正人
柳沢正人
桜花爛漫
(紙本彩色 3号スクエア)
MASATO YANAGISAWA
 
柳沢正人
柳沢正人
黄昏のヴェネツィア
(紙本彩色 6号) 2014年作
MASATO YANAGISAWA
 
柳沢正人
東京
(紙本彩色 10号 分割) 2022年作
MASATO YANAGISAWA

1955年長野県佐久市に生まれた柳沢正人。東京藝術大学院を修了後、1991年五島記念文化賞新人賞を受賞、その助成によりイタリア・フィレンツェに一年間、海外留学する。
以後数十回に及ぶ海外取材を重ねヨーロッパをはじめ世界各地で個展を開催し注目を浴びる。
2004年には、イタリア美術評論家が選ぶ「世界の作家12人展」に選出され、作品はメディチ・リカルディ宮殿(伊)に収蔵された。
この年、構想5年制作に6年を費やし横75m×縦1,8mの大作壁画「刻(とき)-時空の流転」が幕張ワールドビジネスガーデンに設置され話題となる。
本作「東京」に描かれた東京タワーは昭和30年代前半に完成し、この頃から日本の高度経済成長が始まった。
柳沢は「東京」の時空間を表現する方法として画面を5分割することを試みた。パネルを縦軸に少しずつずらすことによる時間の流れ(時間軸)と横に少し隙間をあけることによる空間の広がり(空間軸)を表現した。
ノスタルジーを感じる屏風絵的額装の本作品は、おしゃれに洋室に飾って欲しい日本画の逸品である。

 
田尾憲司
田尾憲司
鹿
(紙本彩色 15号)
KENJI TAO
 
千住 博
光る朝
(紙本彩色 6号スクエア)
HIROSHI SENJU

ニューヨークを制作拠点に活動し、世界で注目の日本画家千住 博。1995年ヴェネツィア・ビエンナーレで東洋人として初の名誉賞獲得以来、大徳寺聚光院の襖絵制作、APEC首脳会議、羽田空港等のアートプロデュースなど幅広い活動で存在感を高めてきた。
2020年には、弘法大師空海によって1200年程前に開創された真言宗総本山、高野山金剛峯寺に44面の「瀧図」と「断崖図」が奉納された。千住 博と空海の時空を超えた対話とも言われ、これらの業績から日本芸術院賞の受章が決定した。
静まり返った朝の森に佇む鹿の姿。
本作は古来神仏の化身とされ、森の守り神とも言われる鹿との出会いに神を感じたと語る画伯が初期の頃より今日まで描き続ける代表的な森林シリーズの中の一作。
朝焼けの空に群青色に染まった森林、この自然が織りなす神秘的な情景は日本画でなければ絶対に描けないであろう。
私たちはこの美しい自然を後世に残していきたい…
生きものと自然の共存を描いた本作品は千住 博の祈りの一枚である。

 
千住 博
ウォーターフォール SOLD OUT
(紙本彩色 4号)2024年作
HIROSHI SENJU
 
千住 博
森と湖
(紙本彩色 15号)
HIROSHI SENJU
 
上村淳之
雪野 SOLD OUT
(紙本彩色 6号)
ATSUSHI UEMURA

上村三代の美の系譜を受け継ぎ、京都画壇の至宝と称された上村淳之。
2022年11月文化勲章を受章する。淳之画伯の受章は松園及び松篁に次いで親、子、孫の三代にわたる文化勲章受章となり美術界の歴史的出来事として話題となった。
上村淳之はひたすら鳥を愛し、日本画の中でも限定的に花鳥画の世界を極めた。
本作「雪野」は右斜め上から対角線上に椿が枝を伸ばし、その先にルリビタキが一羽佇んでいる。
一面に覆われた真っ白な雪は、青い宝石と称えられるルリビタキを一層際立たせ、呼応するかのように雪の重さに耐えながら健気に咲いている赤い椿。
静謐で厳かな冬の朝の空気感が感じられる本作品は上村淳之の代表的な人気作である。

 
原宏之
白樺林
(紙本彩色 10号)
HIROYUKI HARA
 
井上有一
井上有一

(墨 チベット紙) 
[画寸法 590×650mm]1982年作 、共板有
※井上有一全書業 第三巻 掲載作品
井上有一記念財団 鑑定 有
YUICHI INOUE

井上有一(1916~1985)は、戦後古い体質の書壇を否定し個人の表現としての書を芸術の域まで高めた。
「漢字を単に意味と形音を持つコミュニケーションの記号として片付けられるものではない、書が成立する大きな一因がそこにある」と語る井上有一。
イギリスの著名な美術批評家のハーバード・リード氏に米国の抽象表現主義の巨匠ジャクソン・ポロック等と並ぶ作家と評され、井上有一の評価は国際的なものとなった。
従来、絵画とはキャンバスをイーゼルに立てて描くのに対して、書は机に置いて書く。しかしポロック等のアクションペインティング作品は、制作時に書を書くようにキャンバスを床に置きダイナミックに体全身を使い描いている。
このように有一のエネルギー溢れる「一文字書」のパフォーマンスはアメリカの抽象表現主義、ヨーロッパのアンフォルメル、日本の具体美術などに多大な影響を与えた。
没後、1994~1995年横浜美術館、グッケンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館へ巡回した「戦後日本の前衛美術展」に出品の有一の書は前衛美術として高い評価を受ける。
近年 井上有一の作品は世界各地のオークションで関心を集め多くの美術館や著名なコレクターに蒐集されている。
2016年に金沢21世紀美術館で開催された「生誕百周年記念 井上有一」大回顧展は井上有一の人気を内外で一層高めることになった。
本作品「月」は1982年(66歳)制作の気迫みなぎる一文字書。
正絹紬無地の布を使用し高級感のある額装で和室にはスッキリと洋室にはお洒落にお飾りいただける資産性の高い逸品である。

 
熊谷守一
熊谷守一

(水墨淡彩)
[画寸法 320×390mm] 共板有

MORIKAZU KUMAGAI
 
熊谷守一
熊谷守一
椿
(紙・水墨淡彩)
[画寸法 345×383mm]
熊谷守一水墨淡彩画鑑定登録会 鑑定登録証書 有

MORIKAZU KUMAGAI
 
 

洋画

 
藤田嗣治
頬杖をつくマドレーヌ

(墨、水彩 紙)
[画寸法 425×324mm]1932年作
東美鑑定評価機構鑑定委員会 鑑定有
TSUGUHARU FUJITA
 
藤田嗣治
藤田嗣治

(墨、水彩 絹)
[画寸法  413×570mm]1932年作
東京美術倶楽部鑑定委員会 鑑定証書/ジルベール&ポール ペトリデス 鑑定証 有
TSUGUHARU FUJITA

フジタが初めてパリに渡ったのは、第一次世界大戦が勃発する前年の1913年、彼が27歳の頃であった。
日本人の画家で最初に世界的な成功を収めた藤田嗣治は日本近代で最大の画家と言える。
かつては浮世絵など日本美術が海外で高く評価されたことはあったが、画家本人が海外に渡りそこで評価を得たのはフジタが最初だった。
面相筆で描かれた秀麗な輪郭線、乳白色の肌の艶やかさが人気となりフジタはエコール・ド・パリの寵児としてもてはやされた。
フジタの代名詞である猫と言えば無邪気さとか愛らしさをたたえているものがほとんどであるが、本作品は鋭い眼光を放ちながら目の前の獲物を狙っているかのような野性的で精悍な姿の猫を描いている。
フジタ46歳の才気溢れる手によって描かれた本作は張り詰めた緊張感が伝わってくる珠玉の逸品と言える。

 
向井潤吉
向井潤吉
奥武蔵凛冬 寄居在
SOLD OUT
(油彩 6号)
浜田美芽 鑑定書 有
JUNKICHI MUKAI

民家の向井といわれ戦後の洋画界を代表する作家、向井 潤吉は自分の足で日本各地の民家の風景を求めて旅を続 けた。
今日、彼の妥協を許さず写生に徹した風景画は歴史的財産として高く評価されている。
本作「奥武蔵凛冬 寄居在」は埼玉県北西部に位置する寄居町の昭和40年〜50年代の原風景。近くには景勝地<長瀞>があり、背後に秩父連峰が連なる山紫水明の地として知られている。
向井が 最も気に入って何度も訪れたと言われているこの地はかつて秩父に通じる宿場町として栄え、多くの人々や物が行き交い賑わいを見せていた。
厳しい冬の風雪に耐え凛と佇む 民家を描いた本作品は人の生活が代々にわたって続いてきた長年の時間の重さを感じさせる6号の油彩画。
穏やかな光景が郷愁を誘い心温まる逸品である。

 
斎藤真一
斎藤真一
関山の星 越後瞽女 冬の旅

(板、油彩 サムホール)
SHINICHI SAITO
 
ユトリロ
ユトリロ
メゾン デュ コロンビエ ボーヌ(コート=ドール) SOLD OUT
(紙にグワッシュ)
[画寸法 277×350mm] 1927年作

ポール・ペトリデス 鑑定証/ユトリロ鑑定委員会(エレナ・ブリュノー)鑑定証 有
MAURICE UTRILLO

ヨーロッパ近代美術史に不朽の名をとどめたモーリス・ユトリロは1883年ロートレック、ドガなどのモデルとして知られたシュザンヌ・ヴァラドンの私生児としてパリ・モンマルトルに生まれた。
少年時代からの酒癖と孤独にさいなまれた生活を変えるために絵を描き始める。
彼は当時フランス近代絵画の流行であったフォーヴィスムやキュビスム等のいずれの流派にも目もくれず又いかなる理論にも頼らない全くの独学でユトリロ自身の道を切り拓いた画家である。
彼の描くパリやモンマルトルの風景は常に孤独と憂愁の影が色濃く漂っていて、私たち見る者の深い共感を誘う。
日本ではエコール・ド・パリのモジリアニ、シャガールらと共に早くから近代フランス画壇の人気作家として親しまれてきた。
本作は1927年ワインの生産地として名高いフランス・ブルゴーニュ地方ボーヌの歴史的建造物を描いたもの。
建物は1574年に建設されて重要文化財となっており、現在はホテルと人気のワインバーが営業していてこの街の名所となっている。
ユトリロ44歳の全盛時にグワッシュで描かれた本作品「メゾンデュコロンビエボーヌ(コート=ドール)」、世界が称賛した輝く「白」に鋭い造形、質感のあるマチエールはユトリロの魅力が凝縮された逸品である。

 
アイズピリ
アイズピリ
ブルーバックの花
(油彩 20号)
ASSOCIATION PAUL AÏZPIRI 鑑定有
AIZPIRI
 
カシニョール
カシニョール
ティータイム

(油彩)
[画寸法 920×730mm] 1990年作
自筆証明書 有
JEAN PIERRE CASSIGNEUL

日本の美人画の歴史は江戸時代の喜多川歌麿、鈴木春信等の浮世絵から明治、大正、昭和にかけては上村松園、鏑木清方、伊東深水等がその時代の人気作家として活躍してきた。しかし文化、生活様式の変化とともにその人気は次第に衰えていった。
1966年憂いを帯びた優雅な女性を描いて注目のフランス人画家ジャン・ピエール・カシニョールの作品が初めて日本に紹介された。
彼が描く大きな帽子を被った細身でエレガントな女性像は瞬く間に人気となりお洒落なカシニョールの版画、油彩画は日本で一大ブームとなる。
1990年朝日新聞社主催「カシニョール展」が東京、大阪、京都、福岡で開催され彼の日本での評価を不動のものとした。
本作はこの巡回展に出品の為1990年に制作された作品と思われる。
昼下がり公園のカフェで物思いにふけるアンニュイな雰囲気の女性を描いた本作品「ティータイム」はカシニョール55歳、評価の高い年代の貴重な作品。
カシニョールの日本での人気はやがて米国を経由して彼の本国フランスへと広がり国際的な巨匠としての地位を確立した。

 
カシニョール
カシニョール
友達

(油彩 キャンバス)
[画寸法 610×460mm]2007年作
自筆証明書 有
JEAN PIERRE CASSIGNEUL

憂いを帯びたエレガントな女性を描いて人気のフランス人作家、ジャン・ピエール・カシニョール。
1966年、彼の作品が初めて日本に紹介される。
1970年代に入ると日本各地で住宅の洋風化が進み、床の間の掛け軸からリビング等に飾るおしゃれな絵に社会のニーズが変化していった。
大正時代の竹久夢二を彷彿させ、ノスタルジーを感じる細身の女性を描いたカシニョールの人気は凄まじく、多くの家庭やオフィス、ホテル等で彼のリトグラフが飾られた。以降60年近く日本での絶大な人気は続いている。
1990年、東京、大阪、京都、福岡で開催された朝日新聞社主催「カシニョール展」の成功で確固たる地位を築いた。
本作「友達」は昼下がり、パリ郊外の公園に佇む二人の女性。大きな帽子を被った優美な女性の後ろ姿はカシニョールの代表的な人気のモチーフ。
2007年(72歳)制作の本作品は気品に溢れ、見る者を優雅な気持ちにさせてくれる油彩画の逸品である。

 
山下 清
とんぼ
(ペン画 色紙)
山下清鑑定会 鑑定書有
KIYOSHI YAMASHITA
 
香月泰男
タヒチ
(水彩、クレヨン、紙)
[画寸法 552×402mm] 1971年作
香月婦美子、藤田士朗 証明書 有
YASUO KAZUKI
 
相原求一朗
相原求一朗
はこだて 雪 SOLD OUT
(油彩 30号)1971年作
※相原求一朗作品集 掲載作品(昭和52年、日動出版)
KYUICHIRO AIHARA
 
三岸節子

(鉛筆、パステル 紙)
[画寸法 560×378mm]
東美鑑定評価機構 鑑定委員会 鑑定証書 有
SETSUKO MIGISHI
 
三岸節子
花(南佛カーニュにて)
(油彩 キャンバス)
[画寸法 407×241mm] 昭和45年2月作
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書 有/三岸節子の会 登録証書 有
SETSUKO MIGISHI

 

力強い彩色と大胆な構図で「炎の画家」と呼ばれた三岸節子 。
女性の自立が困難であった大正の時代、彼女は画家を目指し、後に天才画家と言われた三岸好太郎と出会い結婚。その後好太郎との早すぎる死別。
残された3人の子供を育てながら画業を続け、日本を代表する女流画家となる。
63歳で「本物の画家になりたい」と一念発起し、息子 黄太郎一家と共に、南仏・カーニュに移住する。
本作「花 (南佛カーニュにて)」は南仏に移住後 、2年目の1970年(65歳)の制作。
この頃から彼女の作品に「三岸の赤」と言われる鮮やかな赤が使われるようになる。
エネルギーみなぎる燃える赤と力強い筆致で描かれた本作品は、光溢れる南仏で色彩画家・三岸節子の資質が花開いた貴重な作品と言える。
以後20年近く三岸はフランスに定住する事になるが、 本作は彼女が憧れたフランスで、生き抜く決意と自信が窺える力強く秀逸な作品である。

 

 
三岸節子
サン・ルイのカフェーにて SOLD OUT
(オイルパステル 紙(共シール))
[画寸法 420×330mm]1954年作
東美鑑定評価機構 鑑定委員会 鑑定証書 有
SETSUKO MIGISHI
 
アントニー・スキザト
アントニー・スキザト
レインメーカー
(アクリル)
[画寸法 800×600mm]
ANTONY SQUIZZATO
 
アントワーヌ・アンリ
アントワーヌ・アンリ
凛として
(油彩 8号)
ANTOINE HENRY

 

アントワーヌ・アンリ
アントワーヌ・アンリ
陽を浴びて
(油彩 8号)
ANTOINE HENRY

 

 
カトラン
ベルナール・カトラン
センジュギクとノコギリソウ SOLD OUT
<日本経済新聞2023年3月掲載作品>
(キャンバスに油彩)
[画寸法 730×540mm]
(仏P20号)
1977年作
遺族照会確認済
BERNARD CATHELIN

 

簡素化した構図に洗練された色彩で日本でも多くのファンを持つベルナール・カトラン。
1977年制作の本作は、翌年の1978年NYの名門ギャラリー「フィンドレー」で開催された「カトラン展」に出品されたものと思われる。
白い背景に白い花瓶、カトランらしい同系色の何色もの白を巧みに使い分け品格漂う本作品「センジュギクとノコギリソウ」はカトラン58歳時の力強い作品。
現代フランスの巨匠マティス、ボナールの流れを受け継いだカトランの装飾的で平面的な構成は日本の“床の間”の美学との出会いを通じて一層強まったものと言われている。
1984年には、<俳諧十選>のリトグラフ集の制作をするなど日本の俳句も彼の作品に影響を与えた。
現代フランス絵画と日本の文化が融合した本作は装飾性と精神性を併せ持つ秀逸な作品といえる。

 
ビュッフェ
ビュッフェ
青いアイリス

(油彩 25号)
[画寸法 810×650mm]1958年作
モーリス・ガルニエ鑑定証 有
BERNARD BUFFET

ベルナール・ビュッフェは1928年パリに生まれ第二次世界大戦後のフランス画壇に彗星のごとく現れた。1948年、若干20歳にして画家の登竜門として最も権威あるクリティック賞(批評家賞)受賞、早熟の天才と言われた。
当時抽象画全盛であった世界の美術市場にモノトーンに近い具象画で大戦後の不安や虚無感が漂う社会を硬質な鋭い線描で描いたビュッフェは瞬く間にパリ画壇の寵児となり世界を席巻した。
日本でもビュッフェの人気は絶大で日本画家加山又造、芥川賞作家で版画家の池田満寿夫など多くの作家が強烈な衝撃と影響を受けた。
後に静岡県長泉町にベルナールビュッフェ美術館が創設される。
1958年ビュッフェに生涯を通じて影響を与え続けた女性アナベルと結婚。
彼女の影響によりこれまでのモノトーンの画風から多くの色彩が使われるようになった。
ビュッフェ作品の転機の年ともなった1958年制作の本作「青いアイリス」は青い花と花瓶に赤色が配置され、力強い線描に暖かみが加わり、明るい画面へと変化している。
本作品はビュッフェ30歳時に描いた希少な静物画で美術館クラスの逸品と言える。

 
ビュッフェ
ビュッフェ
Le quai

(紙・鉛筆)
[画寸法 650×500mm]1952年作
モーリス・ガルニエ鑑定証 有
BERNARD BUFFET

ベルナール・ビュッフェは1928年パリに生まれ第二次世界大戦後のフランス画壇に彗星のごとく現れた。1948年、若干20歳にして画家の登竜門として最も権威あるクリティック賞(批評家賞)受賞、早熟の天才と言われた。
当時 抽象画全盛であった世界の美術市場に大戦後の不安や虚無感が漂う社会をモノトーンに近い硬質な鋭い線描の具象画で描いたベルナール・ビュッフェ。
日本でも彼の人気は絶大で日本画家加山又造、芥川賞作家で版画家の池田満寿夫など多くの作家が強烈な衝撃と影響を受けた。
後に静岡県長泉町ベルナール・ビュッフェ美術館が創設される。
本作はビュッフェの最高傑作「キリストの受難」三部作発表の翌年1952年(24歳時)に制作された。
彼の生涯で最も気力が充実していたと言われる時代の貴重なデッサン画。
鉛筆を使用して力強く正確な構図で描かれた本作品「Le quai」は水彩、油彩では味わうことが出来ないビュッフェの鋭い線描が存分に楽しめる贅沢な逸品と言える。

 
荻須高徳
荻須高徳
セーヌ河岸
(水彩)
[画寸法 250×320mm]1983年作
荻須美代子 鑑定書有
TAKANORI OGISU

荻須高徳は生涯のほとんどをパリで暮らし時代と共に移り変わるパリの裏街を描き続けた。
裏通りでひっそりと暮らすパン屋、カフェ、タバコ屋などの人々の生活や、歴史が滲むパリの風景を題材にした多くの名品を残した。
本作品は手前から画面の右奥へと続く道によって、見る者の視線をセーヌ川に架かる橋へと導くような構図をとっている。
画面左側の河岸に立ち並ぶ緑色した箱型の屋台はブキニストと呼ばれる土産屋兼古本屋でパリの街に欠かせない風景のひとつと言われている。
ブキニストの歴史は古く16世紀からパリで営業が始まった。幾多の困難を乗り越え、現在はセーヌ河岸に移りパリの風物詩として世界遺産にも指定されている。
ゆったりとした時の流れを感じさせる本作「セーヌ河岸」は400年以上続くこのフランスの文化遺産ブキニストを守り続けた人達へのオマージュなのであろう。1983年(82歳)に制作された本作品は、荻須の思いが凝縮された水彩画の逸品と言える。

 
荻須高徳
荻須高徳
南通り
<日本経済新聞2023年7月掲載作品>
(キャンバス 油彩 15号)
[画寸法 650×540mm] 1970年作
荻須美代子 鑑定書有
TAKANORI OGISU

荻須高徳は生涯のほとんどをパリで暮らし時代と共に移り変わるパリの裏街を描き続けた。
裏通りでひっそりと佇むパン屋、カフェ、居酒屋、たばこ屋など人々の生活や歴史がにじむパリの風景を題材に多くの名品を残した。
[最もフランス人らしい日本人]と言われた荻須はエッフェル塔、ノートルダム寺院、シャンゼリゼ通り等の華やかなパリを頑固に描こうとしなかった。
本作「南通り」はパリ19区にある袋小路になっている小道を描いたもの。19区はパリの北東部に位置しセーヌ河の北の地域で世界各地からの移民が多く住んでいる住宅地。
荻須は観光客もあまり訪れないこの地方で庶民の暮らす裏街を好んで描いている。
本作品の正面の看板[Bottier]はオーダーメイドの靴屋であろう。
壁の詩人とも言われ、歴史や人々の生活の染み込んだ壁の魅力にこだわった荻須の作品は日本人はもちろんヨーロッパの人々を魅了してきた。本作品は荻須が長く追い求めてきた壁の美しさが際立つ逸品である。

 
増田誠
アコーデオニスト
(油彩 3号)
MAKOTO MASUDA
 
絹谷幸二
黄金背景青陶薔薇 SOLD OUT
(ミクストメディア 3号)
KOJI KINUTANI

日本を代表する洋画家 絹谷幸二 ( 1943年~ )
古都奈良で生まれ育ち、イタリアでアフレスコという古典的技法を体得、それが唯一無二の画風を完成させた。
「私の進むべき道を色彩によって切り開き、そして今の時代に一番必要であるのは色と香り」と語る。
本作品「黄金背景青陶薔薇」は、若かりし頃学んだイタリア アドリア海の色彩かのような深い青に魅せられる、花の香漂う作品。
背景に本金箔を使用し圧倒的存在感を放ち、小品ではあるがエネルギー溢れる逸品である。

 
トラモーニ
ヴェニスのブーケ
(油彩 12号)
OLIVIER TRAMONI
 
トラモーニ
花籠
(油彩 10号)
OLIVIER TRAMONI
 
ドートルロー
二艘の船
(パステル)
[画寸法 200×275mm]
PIERRE DOUTRELEAU
 
ガントナー
ガントナー
アルザスの農家
(水彩 6号)
BERNARD GANTNER
 
小杉小二郎
小杉小二郎
窓辺の果物
(油彩 8号)
KOJIRO KOSUGI
 
小杉小二郎
緑壺の三色すみれ
(油彩 6号)
KOJIRO KOSUGI
 
 
ジョルジュ・ルオー
児玉幸雄
エッフェル遠望
(油彩 8号)
東美鑑定評価機構 鑑定委員会 鑑定証書 有
YUKIO KODAMA
 
東鄕青児
想出 SOLD OUT
(油彩 6号)(共シール有)
東郷青児鑑定委員会 鑑定証 有
SEIJI TOUGOU
 
小山敬三
紅淺間
SOLD OUT
(油彩 キャンバス)

[画寸法 319×410mm] 共シール
東美鑑定評価機構 鑑定委員会 鑑定証書 有
KEIZO KOYAMA
 
ボナフェ
ボナフェ
オークル色の丘と隠れた家
(油彩 6号)
ROGER BONAFÉ
 
ボナフェ
ボナフェ
無造作に生けた花とピカソのカレンダー
(油彩 40号)
ROGER BONAFÉ

1932年フランス、モンペリエに生まれる。
1991年東京芸術劇場の初来日展で大成功を収め、以来30余年日本でのボナフェの人気は今も上昇し続けている。
ボナフェのコレクターでもあったシラク元仏大統領に<成熟の赤>と言わしめたボナフェの赤は日本で彼の代名詞ともなった。
この赤色を背景にした本作品「無造作に生けた花とピカソのカレンダー」は窓辺のテーブルにオンベル、アイリスの花を生け、手前に青リンゴ、両端に紫と青色を配置した。
溢れる色の輝きは色彩画家ボナフェの唯一無二とも言える静物画。
傍らにさり気なく置かれたピカソのカレンダーは彼のエスプリの効いたセンスの良さが感じられる。
今年で91歳になったボナフェ、残念ながら近年彼の体調は作品制作が出来ない状態が続いている。
市場では作品が不足していて今後ますます希少になっていくであろう。
ボナフェ70歳前後の制作と思われる本作は40号の貴重な逸品である。

 
ボナフェ
モーヴ色の大地とカサマツ
(油彩 15号)
ROGER BONAFÉ
 
ラポルト
ラポルト
ラ・トランブラド SOLD OUT
(油彩 25号)
GEORGES LAPORTE
 
コタボ
レモンのある静物
(油彩 10号)
[画寸法 380×550mm]

Hélène COTTAVOZ 証明書 有
ANDRE COTTAVOZ
 
コタボ
田園のブーケ
(油彩 20号)
[画寸法 600×730mm] 2000年作

Florent COTTAVOZ証明書 有
ANDRE COTTAVOZ
 
ドリエ
ドリエ
収穫の時
(油彩 6号)
DOMINIQUE DORIE

 

ドリエ
ドリエ
船のドック
(油彩 6号)
DOMINIQUE DORIE

 

 
ブラジリエ
青い雲
(油彩 15号)
[画寸法 650×460mm] 1999年作
Alexis Brasilier 証明書 有
ANDRÉ BRASILIER

太古から人間と馬との関わりは深い。
人は狩の対象であった馬を家畜化し、その高い身体能力を自分たちの生活の支えにしてきたのであろう。
約2万年前にフランス南西部ラスコー洞窟に描かれた馬は古今東西のアーティストたちに創作の意欲、刺激を与え多くの画家が馬をモチーフに描いてきた。
とりわけ現代ではフランスの人気作家アンドレ・ブラジリエが描く馬は世界で際立つ存在と言えよう。
生前彼と親交が深かった日本画家東山魁夷はブラジリエについて感動を簡潔な構図と洗練された色感で生き生き表現していると評していた。
実際に作家自身の出自が上流階級にあり、競馬や乗馬といった貴族の嗜みは作家に近い自然なものであった。
本作「青い雲」は流れるような厚く青い雲に覆われた浜辺を颯爽と風を切って乗馬を楽しむ情景が描かれている。
作品の中央右付近に僅かに使われている赤色が本作品を見事に引き締めている。
爽快な気分にさせてくれる本作品は最もブラジリエらしい品格の漂う逸品と言える。

 
ワイズバッシュ
ヴァイオリン
(油彩 10号)
CLAUDE WEISBUCH
 
ギィ・デサップ
パリの河岸 230424
(油彩 4号)
GUY DESSAPT
 
ギィ・デサップ
パリ 廃兵院 (230424)
(油彩 6号)
GUY DESSAPT
 
モワラス
モワラス
ディアローグ
(ミクストメディア 5号)2023年作
JEAN MOIRAS
 
モワラス
赤いブーケ
(ミクストメディア 4号)2024年作
JEAN MOIRAS
 
モワラス
モワラス
ジュカス(リュベロン)
(ミクストメディア 15号)
[画寸法 800×400mm] 2023年作
JEAN MOIRAS
 
松井ヨシアキ
青い鳥
(油彩 20号)
YOSHIAKI MATSUI
 
笠井誠一
果物と筆立て SOLD OUT
(油彩 20号)
SEIICHI KASAI
 
トマサ・マーティン
トマサ・マーティン
シンフォニー
SOLD OUT
(オイルオンキャンバス)
[画寸法 780×360mm]
TOMASA MARTIN
 
トマサ・マーティン
刻のながれ II

(オイルオンキャンバス)
[画寸法 390×390mm] 2022年作
TOMASA MARTIN
 
藤井 勉
藤井 勉
野の風
(油彩 10号)
TSUTOMU FUJII
 
ミッシェル・アンリ
ミッシェル・アンリ
日本のアネモネ
(油彩 8号)
MICHEL HENRY

 

ミッシェル・アンリ
ミッシェル・アンリ
ポンヌフ
(油彩 15号)
MICHEL HENRY

 

 
柳原良平
柳原良平
プレジデント・ウイルソン号のサンデッキ (切り絵 (紙))

[画寸法268mm×383mm] 1986年作
柳原良平鑑定委員会 鑑定有
RYOHEI YANAGIHARA
 
織田広比古
織田広比古
花束と赤いドレス
(油彩 4号)
HIROHIKO ODA

 

坂口紀良
坂口紀良
コート・ダジュールの窓辺 SOLD OUT 
(油彩 6号)
NORIYOSHI SAKAGUCHI

 

 
パスカル・マッソナ
パスカル・マッソナ
そんなの全て戯言さ No.8
(ミクストメディア 12号)
PASCAL MASSONNAT
 
パスカル・マッソナ
パスカル・マッソナ
青い木の下で瞑想
(ミクストメディア 12号)
PASCAL MASSONNAT
 
瀧下和之
瀧下和之
桃太郎図 飲めや歌えや。 SOLD OUT
(パネルにアクリル・彫刻 10号)2022年作
KAZUYUKI TAKISHITA
 
柳田晃良
赤うそ
(油彩 円形 150mmφ)
2024年作
AKIRA YANAGITA
 
柳田晃良
友を待つ
(油彩 6号)

AKIRA YANAGITA

 

柳田晃良
下剋上 SOLD OUT
(油彩 6号)
2024年作
AKIRA YANAGITA

 

 
ピラー・テル
午後の読書
(オイルオンキャンバス)
(油彩10号)
PILAR TELL
 

ギィ・ロカジェル特集

 
ロカジェル
ロカジェル
ビーチ
(油彩 4号)
GUY ROCAGEL
 
ロカジェル
ロカジェル
魚屋さん
(油彩)
[画寸法 300×300mm]
GUY ROCAGEL
 
ロカジェル
ロカジェル
サン・ピエールのマルシェ
(油彩 15号)
GUY ROCAGEL
 
ロカジェル
ロカジェル
シェフ
(油彩 8号)
GUY ROCAGEL
 
ロカジェル
ロカジェル
おしゃべり
(油彩 6号)
GUY ROCAGEL
 
ロカジェル
ロカジェル
ドーヴィルのテラス
(油彩 20号)
GUY ROCAGEL

 

ロカジェル
ロカジェル
ルームサービス
(油彩 10号)
GUY ROCAGEL